彦ちゃんの河内歴史話井戸 第79話
郷土のお菓子が歴史を伝承する。煎餅も先生。
前号(8月号)では「マンホールカード」をご紹介しましたが、タイミングよく新聞で柏原市のカードがガンダムの絵柄で人気だと知り、急いで貰ってきました。その配布場所が市民文化センターだったのですが、入り口の柏原ものづくりプラザ(物産展示ケース内)に「大坂の陣せんべい」という陳列品があるのを見つけました。
人によるでしょうが私としてはこういうものに興味がわくもので、早速帰宅して検索し、直売所に購入に出かけました。ところが、製造販売は既に終了しているとのことでした。
実は奈良市内での当記念館主催行事内で「大坂の陣」に関する講談をお願いしていましたので、桐や葵の家紋の焼き印の付いた煎餅なら話題にも出来るとお土産に思った次第でした。「う〜ん」と思案しているとレジの方が「同じたまご煎餅で出来たこちらもありますが」と紹介されたのが「騙されませんべい」でした。柏原警察署とのコラボ品だそうで焼き印は警察のマーク。「こりゃ〜歴史談義には使えないな」と、最初はムリと思いました。
しかし、催事の参加者の多くが高齢者であることから、詐欺への対策は必須と思えたり、商品は替わっても既にこの煎餅の話自体が使えると感じて参加人数分の枚数を購入して帰りました。
案の定、催事当日の講談前に私が話した内容は面白かったようです。勿論、柏原市が大坂夏の陣の舞台であることも宣伝できました。特殊詐欺の被害は一向に減らず、逆に増加傾向にあります。今回の煎餅で、全国の自治体にはこのような地域密着のお菓子工場などがあるでしょうから、社会貢献できるコラボ品をどんどん作ればいい思った次第です。
地域の文化(郷土史や民話、伝承など)を題材にしたお菓子は、栞と共にそれ自体が立派な先生の役割を果たしているんですね。
天誅(忠)組記念館
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