彦ちゃんの河内歴史話井戸 第35話
自身の連載から気付かされた「自分遺産」という視点。
「世界遺産」に「日本遺産」と私たちの暮らす南河内の歴史的価値に関する話題が毎日のように記事になっています。
幕末維新史に興味を持って、中でも南河内の郷土史をやろうと「天誅(忠)組」をテーマにした私。志士の足跡を探訪していくと沢山の古墳や神社仏閣、墓地に行きつきましたが、日常、何気なく歩く道こそが「高野街道」(東、西、中、下高野街道が河内長野市で一本に合流)や「竹内街道」という大きな歴史的遺産なのですね。
さて、幕末期の皇陵(古墳)調査の代表的存在が伴林光平(現藤井寺市生まれ)であることはこの連載でも紹介していますが、この伴という文字がご自分の苗字であることから伴林氏神社や伴林光平にも興味を持たれて、当記念館まで到達された羽曳野市のベンガラ染職人さんが居ます。私には「ベンガラ」といえば吹屋(岡山県高梁市)なんですが、初対面の折にこの事をお話した際には相当に驚かれていました。
実は、原田亀太郎という志士が高梁市(備中松山)の出であり、何度か高梁市には出向きましたので、吹屋も散策して知っていただけですが、縁というものを感じましたね。因みに伴千鶴子さん(写真)は、出身地に近い柳井市の民芸品「金魚ちょうちん」もベンガラ色にしたものを試作中です。
道も伝統も私たち次第で簡単に消えてなくなるもの。伴さんは南河内と問われると「ぶどうと古墳」と御答えでした。そう、このぶどう畑も古墳群も誰かが長い間守ってきてくれたお陰で残っているのですね。きっと危機的な時代もあった筈です。
「世界遺産」も「日本遺産」も申請から始まりますが、誰が何処が認定してくれなくても地域の伝統や文化を「自
分遺産」とする気持ちがこの機会に必要だと感じました。
天誅(忠)組記念館
☎090-5010-3995(予約優先)
藤井寺市小山5-8-33 テックハイム小山1階
10:00~12:00、13:00~16:00
水曜休/賽銭・カンパ方式