彦ちゃんの河内歴史話井戸 第40話
令和元年の師走は、吉野の風で締めくくり。
平成から令和に代わった本年は、正に歴史的な一年でした。この連載も、たびたび異業種の方々に登場いただき、南河内への貴重な提言や魅力を語っていただきました。本年のラストは、文化財保存全国協議会(陵墓委員)・奈良県大淀町学芸員の松田度(わたる)先生です。
先生は若い頃は大阪府民であり、しかも考古学者ですから、南河内に対する視点も楽しみでした。まずは、「南河内のイメージは」からお聞きしますと
「やはり陵墓と渡来人でしょうね。勿論、楠公さんも」と。そこで、御専門の陵墓について「世界文化遺産登録について、持論などありますか」と問いました。
すると、「陵墓や世界遺産の保存継承は、国や行政に任せると持続しません。住民、在野の人びとの草の根運動が大切と思います」、「陵墓参考地は、国から住民の手に取り戻すべき地域の宝だと。ちょっといい過ぎですけど(笑)」と私には思いつかない、説得力のあるお話で返ってきました。確かに財政的な制約もありますし、在野という言葉が個人的には好きですね。
余談ですが、私が天忠(誅)組を郷土史として調べ始めたきっかけは吉見良三著「天誅組紀行」(天誅(忠)組記念館でも販売中)を読んでからですが、その吉見先生宅へ押しかけ入門の際に「君は在野で頑張るタイプやね」と言われました。
最後に「大淀町との今後の交流」についてお聞きしますと「吉野・大淀と南河内は鉄道で繋がっています。近代以前でいう街道ですね」とのご回答。鉄道を街道に例えられるところが、またいいですね。
確かに伴林光平先生も「吉野の道の記」を書いています。松田先生には来年、南河内で陵墓に関するお話などをじっくり語って頂ける場を設けたいですね。
その折には「らくうぇる。」さん共催で(笑)。
天誅(忠)組記念館
☎090-5010-3995(予約優先)
藤井寺市小山5-8-33 テックハイム小山1階
10:00~12:00、13:00~16:00
水曜休/賽銭・カンパ方式