彦ちゃんの河内歴史話井戸 第57話
松の陰を見守るのは森。
2月号に、あの超有名な吉田松陰が富田林(寺内町)の仲村家に来たことを書きました。でもですよ、「その当時は、まだまだ無名な彼がなんで見知らぬ土地で滞在出来たん」って聞かれたらどう答えますか。家の前の解説板は、そこには触れていません。「ブラタモリ」や「鶴瓶の家族に乾杯!」じゃあるまいし、常識的に考えて泊めて貰える筈は無いですよね。
そうです、それを可能にする同行者が居たのです。その同行者とは、大和五條(奈良県)の森田節斎(写真は遺墨)という方で、南河内でも有名で信用も有ったのです。今は便利で、この名前を検索されると簡単に沢山の人物評に出会えますね。
中でも「コトバンク」というツールが便利です。例えば、森田節斎と検索すると、「1811–1868 幕末の儒者。文化8年生まれ。頼 山陽に師事し、昌平黌に学び京都、備中、倉敷などに塾を開く。梅田雲浜らと交わり、門下から尊王攘夷家が多くでた。天誅組の変のあと紀伊に隠れ、慶応4年7月26日死去。58歳。名は益。字は謙蔵。別号に節翁」くらいは直ぐに出ます。
このように、今(現代)有名な方にばかり目が行くと、その人物の人生に影響や変化を与えた肝心の師(先生)を見落とします。正に「森を見ない」ということです。私たちでも、成人するまでには学校や塾などで多くの先生に学び、影響を受けて社会に出たと思います。
今はコロナ禍で、街歩きも控えさせられていますが、明けた暁に古い町を散策される際には、是非とも旧家などの解説板に書かれている人物の師を調べてみてください。きっと、多くの師同士が何らかの形で繋がっていると思いますよ。そこに気付くと散策は更に面白くなります。
この南河内には知らない凄い人物が沢山来ていたのかも知れませんね。
天誅(忠)組記念館
☎090-5010-3995(予約優先)
藤井寺市小山5-8-33 テックハイム小山1階
10:00~12:00、13:00~16:00
不定休/賽銭・カンパ方式