今月の人

歳を重ねるごとに、感性は磨かれていくだからまだまだ勉強し続けたいんです

プロフィール

フリーリスト花いちもんめプランニング代表
フラワーデザイナー
藤井寺市在住 播田育代さん

河内長野市生まれ。結婚を機に藤井寺へ移り住み、園芸種苗店の仕事を手伝いながらフラワーアレンジの勉強を続ける。90年の「国際花と緑の博覧会」のデザインショーでブーケデザインを手掛け、人気を博す。現在、ショッププロデュースや花教室講師のほか、レストランやホテル等と「花と食のコラボレーションイベント」を企画・運営するなど、多方面で活躍中。ニ男一女の母。

■フランス雑貨に花と緑  心癒すディスプレイが人気

 近鉄・藤井寺駅の北側に延びる駅前北商店街。道行く人が、思わず足をとめて見入ってしまうフラワーショップ&ギャラリーがある。店内に一歩入ると、現実から解き放たれるかのようなロマンチックな空間が広がり、思わずうっとり。
「イメージしたのは、フランスの古城。エレガントなんだけれど仰々しくなくて、ホッと癒されるような雰囲気が漂う、そんなイメージでこの空間をプロデュースしています」
 そう話してくれるのは、「フリーリスト花いちもんめプランニング」代表でフラワーデザイナーの播田育代さん。お洒落でスマートないでたちからも、洗練された豊かな感性が伝わってくるかのよう。ショップには、フランス雑貨を中心に、アロマオイルやキャンドルスタンド、テーブルウェアやアクセサリーなど、こだわり抜いて選んだアイテムがずらり。しかも、ただ並べるだけでなく、お花やグリーンと組み合わせてセンスよくアレンジする播田さんならではのテクニックが随所に散りばめられている。
「コーナーそれぞれに、ここは白いレースが主役、ここはちょっとアンティークな雰囲気でというように、独自の世界観を持たせています。似たアイテムだけを集めて並べるということではなくて、陳列する台やキャビネットのデザイン、品物の下に引くマットなどそのコーナーをトータルで考えてコーディネートするのがコツ。お花やグリーンをあしらえば、ディスプレイに奥行きも生まれるでしょ?あれこれイメージしながら創っていくのが、とにかくとても楽しいんです」
 ギャラリー奥のアトリエでは、播田さんが講師を務める花教室も開講。遠方からも多くの生徒さんがやってくるほどの人気を誇り、フラワーアレンジメントやプリザーブドフラワー、ウエディングブーケ、ガーデニングなど、クラスも多彩だ。
「学ぶというよりは、お花のある生活を楽しんでもらうためのレッスン。植物を暮らしの中にちょっと取り入れるだけで、心が和む空間になるんですよ。だからなのか、生徒さんたちは、来るたびにイキイキとした美しい表情になってくるんです」
 播田さんの創造力とセンスは多方面から注目を集め、京都や神戸など他地域でも講座を受け持っているほど。また、オーダーの花束やブーケは、赤字になっても必要な花材を使って完成度を優先させるなど、仕上がりに決して妥協はしない。
「特にウエディングブーケの場合は、お届けしたときに泣いて感激してくださる方もいるんです。人生の節目に関わらせていただけるだけでも幸せなのに、それほどに喜んでいただけるなんて私のほうこそ感激です」

■イマジネーション膨らませて 独創的なフラワーデザイン

 播田さんと花とのかかわりは、幼少期にまでさかのぼる。
「母が生け花をしていたこともあり、子どもの頃からお花はとても身近な存在でした。家の近くには山があり、そこに咲いているお花を摘んでリースを作って遊んだりもしていましたね」
 絵を描くのが大好きで、イマジネーションを膨らませるのが大の得意。小学生の頃、「にじませることで、雰囲気を出したい」と、水性絵の具で描いた絵に雨の雫をしたたらせた。
「頭の中でひらめいたデザインを形にするのが楽しくって。子どもの頃から、とにかく創作の世界に入り込んでいたんです」
 20歳で結婚したお相手が藤井寺で大きな園芸種苗店を営んでいたことも「縁でしたね」と振り返る。大好きなお花や緑にいつも触れていられる環境を心から喜んだ。そして、「決められた枠の中でのデザイン」よりも、イマジネーションで作品を作りたいと、師範免許を持っていた生け花ではなく、フラワーデザインの道へと歩みを進めた。家業の手伝いや3人の子育てをしながらの勉強は大変だったそうだが、「いつかフラワーデザインの教室を開きたい」という明確な夢を持ち続け、学校に通って講師資格を取得。
「教室を開校してからは、毎年生徒さん達の作品展を開いています。ブライダルショー、各公演、舞台やショップのディスプレイなども手がけ、NHKテレビの『現在の花事情』でも取り上げられ出演させていただきました。90年に大阪で開催された国際花と緑の博覧会では、デザインショーでブーケを展示できることになったんです。様々なメディアを通じてファッション感覚に富む作品を送り出す事に努力をしてきました」
 播田さんのそのデザイン力が評判を呼び、各地で教室を展開。
「大変つらい時期もありました。しかし、花の目に見えないパワーというか、力をもらった気がします。だから、頑張ってこれたと今花のすばらしさに感謝し、手を合わせる気持ちでいっぱいです」
 今後の目標をお聞きすると、「もっとステキな教室に。そして『花とテーブルウェアと美しい食事』をテーマに、私が勉強してきた内容を皆様に知って頂くことに力を注いでいきたい」と即答してくれた播田さん。
「歳を重ねるということは、それだけ多くのものを見聞きして感性が磨かれていくということ。今、私は好きなものに囲まれて仕事ができ、人生の中で今が一番豊かな感性を持ち、イキイキしているんじゃないかな。そして、周りの人たちにもステキで幸せになってもらいたい、そんな気持ちが年々強くなってきているんです」
 「女性としていつまでもステキで輝いて過ごせる方法は、絶えず美しいと感じる物を意識して観ること、美しい音楽を聴くこと、ステキな香りを身近に置くこと」と話す播田さん。ショップに入ると気持ちが安らぐのは、人の幸せを願う気持ちが詰まっているからなのかもしれない。
(松岡理絵)